日本語教師の仕事は外国人に「日本語を教える仕事」です。よくイメージされるのは、英会話教室の先生のように、英語を織り交ぜながら日本語で会話をしているものです。
「日本語教師です」というと100%「英語上手なんですね!」と言われます・・・。
でも、実際の日本語教師の仕事は、皆さんが思っているイメージとは全然違います。
例えば、皆さんなら「ニュアンス」をどう説明しますか?
明日の授業で「ニュアンス」という言葉を教える、どう教えよう…
言葉で「音や色や言葉が微妙に感じが異なる」と伝えてもそもそも「微妙」が理解できないだろうな。英語で教えても具体的に使う時や使い方がわからないだろうな。
そうだ、教室にいる学生が同じ色の服を着てきたら、それを利用してみよう。青の服を着ている学生が何人かいた場合…
T:AさんとBさんとCさんの服の色は何色?
S:青です。
T:でもよく見てください。AさんとBさんの青の色は100%同じですか?
S:いいえ、Aさんの青は濃いです。黒っぽいです。Bさんの青は明るい青です。Cさんの青は普通の青です。
T:そうですね。同じ青ですが、少し違います。その時「ニュアンスが違う」と言います。
もし同じ色の服の学生がいなかったら、ニュアンスの違う青の色のペンを何本か準備しておこうかな。
あ、こんなのはどうかな?
T:「(笑って)いいですよ(=OKの意)」
「(怒って)いいですよ(=結構ですの意)」
先生はなんと言いましたか?
S:「いいですよ」と言いました。
T:そうです。どちらも同じですか?
S:いいえ、違います。
T:同じ「いいですよ」という言葉でもニュアンスが違います。
このように、頭の中でイメージを膨らませて「どうしたら伝わるかな?」「これを準備したらどうかな?」と教え方を考えて、その教え方で学生が理解してくれたときの嬉しさは言い表せません。
他にも「から」と「ので」は何が違うのか、「つくづく」「しみじみ」は何が違うのか、そんな日本人が自然と使っている日本語を改めてその使い方や意味を考え直す過程も、日本語教師という仕事のおもしろさだと思います。
日本語教師という仕事に興味をもっている方、ぜひ挑戦して欲しいなと思います。
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